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インフルエンサーマーケティングにおいて、マーケティングの中間的な効果や最終的な成果を知るための効果測定は必須です。
インフルエンサーマーケティングの効果測定をする際に重要な指標は、打ち出したマーケティング施策の新規ユーザー獲得数、SNS上でのユーザーの行動、商品購入やサービスの利用に至ったか、などがあります。
今回は、インフルエンサーマーケティングを行う上で、押さえておくべき「KPI(重要業績評価指標)」と「KGI(重要目標達成指標)」について詳しくご説明します。
目次
効果測定とは?
インフルエンサーマーケティングとは、認知度を高め、商品購入につなげるマーケティング手法の一つで、影響力を持つインフルエンサーがSNSを活用して商品やサービスを宣伝するマーケティングのことです。
インフルエンサーマーケティングにおいて、KPI(重要業績評価指標)とKGI(重要目標達成指標)の目標設定や、マーケティング施策を実施した後の効果測定は欠かせません。
施策後のデータを集計し、マーケティングの効果を具体的な数字で把握することで、マーケティングがどれだけ効果的であったのか振り返りができ、その後の施策を改善させるためにも役立てることができます。
効果測定における基本指標
ここからは、インフルエンサーマーケティングにおけるKPI(重要業績評価指標)とKGI(重要目標達成指標)の基本指標についてお伝えします。
これからお伝えする指標はインフルエンサーマーケティングに限らず、あらゆるマーケティングにおいて使われる効果測定の指標となる基本数値です。
今後のマーケティング活動にも役立つ基本知識ですので、効果的なマーケティング施策を立案する際のポイントとして覚えておくと便利です!
ぜひ参考にしてみてください。
KPI(重要業績評価指標)
KPIとは「Key Performance Indicator」の略で、日本語では「重要業績評価指標」と訳されます。
ゴールまでのプロセスにおいて、事業やプロジェクトにおける成果や達成度を評価する指標のことで、インフルエンサーマーケティングにおけるKPI(重要業績評価指標)の評価は、以下の指標が重要とされています。
・リーチ数
・エンゲージメント率
・コンバージョン率
・CTR
・UGC
・顧客単価
・リピート率
これらは一般的な指標ですが、さらに細分化して分析を行うこともあります。
KPI(重要業績評価指標)を設定することで、KGI(重要目標達成指標)が明確になり、最も効率的で最短の達成ルートを見出すことができます。また、マーケティングの長期的な変化や効果を把握しやすくなるため、PDCAサイクルを回しやすくなります。
最終目標のKGIに対してKPIの数値に大きな乖離がある場合は、PDCAサイクルの中でKPIの見直しや再設定をすることで、より目標達成に近づきやすくなるため、これらの指標をマーケティング施策の基準にすることは非常に重要です。
さて、ここからは、KPIにおける基本指標についてそれぞれ詳しく解説していきます。
リーチ数
リーチ数 = ユニークユーザー数
リーチ数とは、投稿を閲覧したユーザー数のことで、KPIを設定する上で欠かせない指標です。
投稿を閲覧したユーザー数のみをカウントするため、インフルエンサーマーケティングにおいてSNS上での拡散力・認知力を測る指標として活用できます。
リーチ数の算出方法はSNSによって異なる場合もありますが、一般的にはユニークユーザー数(重複をのぞいた1回以上投稿を閲覧したユーザー数)をリーチ数としてカウントします。
エンゲージメント率
エンゲージメント率 =(いいね数 + コメント数 + シェア数 + 保存数)÷ リーチ数 × 100%
エンゲージメント率は、フォロワーがどれだけ投稿に興味があり、注目しているかを示しており、キャンペーンなどのマーケティング活動を行う際には、必ずチェックしたい指標です。
エンゲージメント率を出すことにより、投稿を閲覧したユーザーのうち、実際に何らかのアクションを起こしたユーザーの割合を割り出すことができます。
エンゲージメント率が高いということは、フォロワーがその投稿に興味を持ち、SNS上で何らかの行動をしていることを示しており、日頃からフォロワーとコミュニケーションを取るなどフォロワーと強いつながりのあるインフルエンサーであればあるほど、エンゲージメント率は高くなる傾向にあります。
エンゲージメント率が高い場合、
・投稿の内容が注目されている
・投稿の内容がターゲットオーディエンスの興味関心とマッチしている
・投稿の内容がターゲットオーディエンスの心を動かせている
と分析することができます。
コンバージョン率
コンバージョン率 =(コンバージョン数 ÷ リーチ数)× 100%
コンバージョン率とは、インフルエンサーマーケティングにおいて施策の最終的な成果や効果を把握する上で欠かせない指標です。
コンバージョン率では、投稿を閲覧したユーザーのうち、サイトでの商品購入や、サービスを利用するなど、広告主様のビジネスにとって価値のある特定の行動を取ったユーザーの割合がわかります。
コンバージョンアクションはマーケティングの目的によって異なりますが、購入、サービス利用、資料請求、会員登録、ダウンロードなどの行動が含まれます。
コンバージョン率が高いということは、
・ユーザーの購買意欲を高められている
・コンバージョンにつながるユーザーの行動を促進できている
・効果的なマーケティング施策を実施できている
と分析することができます。
CTR
CTR =(クリック数 ÷ インプレッション数)× 100%
CTRとは、「Click Through Rate(クリック率)」のことで、広告のクリック率を示します。
広告を見たユーザーのうち、広告を実際にクリックしたユーザー数を割合で示し、インフルエンサーマーケティングのパフォーマンスを知る指標の一つです。
CTRの数値を算出することで、広告が表示された回数のうち、実際にクリックされた回数の割合がわかります。
CTRが高いということは、
・広告の品質が高い
・ユーザーの興味関心を集めている
・マーケティングのターゲティングが適切に行われている
・ターゲットオーディエンスに広告が届いている
と分析することができます。
UGC
UGC数 = キャンペーン期間中にマーケティングやインフルエンサーの投稿に関連したユーザーによる自発的な投稿総数
UGCとは、「User Generated Content」のことで、ユーザーが自発的に投稿するコンテンツを示します。
具体的には、ユーザーが投稿した商品レビュー、商品購入画像、サービス利用レポート、コーディネート画像、イベントレポート、口コミなどが該当し、ユーザー参加型のキャンペーンに関連した投稿や、ハッシュタグの使用を通じて計測されることもあります。
UGC数が高いということは、
・キャンペーンがユーザーにインパクトを与えている
・キャンペーンの認知度が高まっている
と分析することができます。
その信頼性や説得力からさらなる拡散や認知度向上が期待できると分析することができるため、ブランドイメージの向上、UGCの投稿やコメントを見た別のユーザーが商品を購入する動機や購買意欲の向上にもつながることも期待できます。
顧客単価
顧客単価=(キャンペーン費用 ÷ 獲得顧客数)
顧客単価とは、マーケティングの収益性を評価する指標です。
フォロワー数やリーチ数、エンゲージメント率だけでは、実施したインフルエンサーマーケティングがどれだけ利益性があったかを判断することはできません。
キャンペーン費用とは、インフルエンサーマーケティングにかかるすべての費用のことで、インフルエンサーに支払う報酬のほか、広告費、コンテンツ制作費などが含まれます。
獲得顧客数とは、インフルエンサーマーケティングによって獲得した顧客のことを指します。
顧客単価が高いということは、実際の利益を把握できるだけでなく、マーケティングが効果的に行われていたかどうか分析することができます。
リピート率
リピート率=(リピーター数 ÷ 購入者数) × 100%
リピート率とは、企業が顧客との継続的な関係を築けているかを判断する指標です。
顧客が一度購入した商品やサービスをリピートしてくれているる確率を示します。インフルエンサーマーケティングは、新規顧客の獲得だけでなく、新規顧客のファン化や既存顧客のリピーター化を促す中長期的なマーケティング手法としても有効です。
リピート率が高ければ高いほど、
・顧客は製品やサービスに満足している
・企業やブランドへのロイヤリティが高い
と分析することができます。
以上が基本的なインフルエンサーマーケティングにおけるKPI(重要業績評価指標)の指標です。
さて、ここからは、インフルエンサーマーケティングのKGI(重要目標達成指標)における基本的な指標について解説していきます。
KGI(重要目標達成指標)
KGIとは「Key Goal Indicator」のことで、日本語では「重要目標達成指標」と呼ばれ、最終的な目標を定量的に判断する指標です。
KGI(重要目標達成指標)が「最終的なゴール」だとすれば、KPI(重要業績評価指標)とその「中間ゴール」として一緒に使われ、マーケティングやビジネスの施策には欠かせないものです。
つまり、KGIという最終目標を小さな目標に分解したものをKPIというものであり、マーケティングキャンペーンにおける最終的な売上、利益、顧客数、満足度などを数値で表します。
インフルエンサーマーケティングにおけるKGIにおいて、以下の指標が重要とされています。
・売上高 / 利益
・顧客数/顧客満足度
・ブランド認知度
・市場シェア
KGIを設計するためにさまざまな項目があります。
KGIを設計することで、インフルエンサーマーケティングの最終目標が明確になり、目標達成に向かって施策に取り組めるだけでなく、進捗状況の確認やマーケティング施策の振り返りにも役立ちます。
また、マーケティング成果をKGIとして可視化することで、その後のマーケティング施策に活かせるだけでなく、その数値を活用した次の施策戦略を立てることもできるため、インフルエンサーマーケティングにおいてKGIを設定することはとても重要です。
売上高/利益
売上高や利益は、インフルエンサーマーケティングを通じて宣伝した商品やサービスが最終的な経済効果を示します。
インフルエンサーマーケティングにおける成果を明確するためには、キャンペーン期間中に発生した売上から、インフルエンサーマーケティング以外で発生した売上を差し引いて算出します。
目標達成のために売上高や利益を明確にすることは不可欠であり、その後の施策における売上向上にも役立てることができます。
また、利益を算出することで、インフルエンサーの費用対効果を知ることもでき、宣伝したい商品・サービスにはどのようなインフルエンサーが適しているのか、どのようなインフルエンサーをキャスティングすべきかを判断することができます。
顧客数/顧客満足度
インフルエンサーマーケティングを通じて、実際にユーザーや顧客とどのような関係を築けているのかを判断する指標です。
顧客満足度の向上はロイヤリティを向上させ、長期的な利益の可能性を高めます。
また、キャンペーン期間中に獲得した新規顧客数や、マーケティングで発行したクーポンコードなどの利用率や利用状況を把握することができます。
ブランド認知度
ブランド認知度とは、インフルエンサーマーケティングを通じて、人々がどの程度ブランドを認知したかを示す指標です。
ブランド認知度は、ブランド名を知っている人の割合、ブランドを想起させるキーワード、イメージ、関心度など様々な観点から測定します。
推移は、一連のマーケティング活動を通じて分析することで、長期的に効果の測定や推移を確認することができます。
ブランドの認知向上効果を知ることで、より適切なインフルエンサーを選ぶ基準が明確に見えてきます。
市場シェア
市場における自社の業績や強みを把握し、インフルエンサーマーケティングによって市場シェアがどれだけ拡大したかを知ることで、マーケティング成果を測ります。
市場シェアを知ることで、自社の競争優位性を判断し、長期的な利益成長にもつなげることができます。
具体的には、市場全体に対する自社製品の販売金額の比率や、市場全体のユーザー数に対する自社製品のユーザー数の比率などを検証することができます。
また、市場シェア拡大への貢献度が高いインフルエンサーを起用した継続的なマーケティングも長期的な成果につながり、競合製品との差別化を図る上で重要な指標となります。
インフルエンサーマーケティングのKPI設計方法
インフルエンサーマーケティングを行う上でKPI(重要目標達成指標)を設計することは、マーケティングの成果を確認し改善するためにも大切です。また、KPIの設計によって客観的に施策の効果を把握することができます。
ここでは、KPIの設計方法やポイントについてお伝えします。
目標設定を行いましょう
まずは、インフルエンサーマーケティングにおける目標設定を行いましょう。
最終的にどのような効果を得たいのか明確にすることで、具体的なマーケティングの方針を立てることができます。
また、KPIをもとに効果や課題を分析し、分析結果をもとに新たな施策を打ち出すというPDCAサイクルを回す上でも欠かせない指標です。
目標設定のポイントは、「具体的であること」「測定可能な項目を設定すること」「達成可能な目標であること」です。
高すぎる目標は、達成できないだけでなく、マーケティング活動の方向性を見失う原因にもなりかねません。
KPIとKGIで考える
この記事の冒頭でお伝えしたように、KPIは中間目標であり、KGIは最終目標です。
KPIとKGIの両方を設定し、段階的に目標を達成に向けて取り組んでいくのが良いでしょう。
KPIとKGIの目標を別々に設定することは重要なポイントですが、忘れていけないのが「一貫性」です。
必ず「KGI」と「KPI」の目標に一貫性を持たせた上で、「最終ゴールのKGI」を先に達成、その次に「中間ゴールのKPI」を達成するような目標を設定しましょう。
また、定期的な見直しも欠かせません。市場の変化や競争状況に応じて、柔軟にKGIとKPIの見直し・変更・修正を行いましょう。
SNS投稿で何を重要視するか決定
インフルエンサーマーケティングで活用するSNS投稿では、どのような目的で投稿するのかをあらかじめ決めておくことで、迷わずマーケティング施策に取り組むことができます。
目的としては、企業・ブランドの認知度向上、新規顧客の獲得、売上アップなどが挙げられます。
さらに、ターゲットとなる年齢層や性別、ユーザーのライフスタイルなども決めておきましょう。
目的やターゲットに合ったコンテンツをもとにキャンペーンを実施し、インフルエンサーに発信してもらうことでよりKGIやKPIが達成しやすくなります。
SNSの特性に合わせてKPIを設計しよう
Instagram、YouTube、XなどSNSによって異なる特性を持っています。
SNSごとにKPIを設計することで、より効果的なインフルエンサーマーケティングを展開することができます。
Instagramの場合
Instagramは写真やショート動画などを投稿することができ、ビジュアルに訴求するコンテンツが求められます。
Instagramで重要視すべきKPIは
・フォロワー数
・インプレッション数
・いいね数
・コメント数
・保存数
・エンゲージメント率
などです。
投稿時にハッシュタグやURL添付などを活用することも大切です。
YouTubeの場合
一方で、YouTubeは動画を共有するSNSです。
動画の尺は短いものから1時間を超える長い動画もあり、他のSNSよりも詳しく深堀りしながら伝えることが可能です。
YouTubeで重要視すべきKPIは
・チャンネル登録者数
・視聴回数
・平均視聴時間
・視聴者維持率
・コメント数
などです。
動画の長さやテイスト、スタイルは紹介したい商品やサービスに合わせながら、インフルエンサーとも相談して決めると良いでしょう。
Xの場合
Xでは短い文章や画像、動画などを使って短時間でユーザーに情報をキャッチしてもらうことが欠かせません。
また、ハッシュタグを利用してより多くの人へ拡散することもできます。
Xで重要視すべきKPIは
・フォロワー数
・インプレッション数
・リポスト数
・いいね数
・メンション数
などです。
短時間で十分な情報提供ができるよう、画像や動画、興味を惹く文章でインフルエンサーに発信してもらうことで、より大きなマーケティング効果が得られるでしょう。
このように、SNSの特性や特徴を十分に理解した上で適切なKPIを設定することで、効果的なインフルエンサーマーケティングを実施することができます。
まとめ
今回は、インフルエンサーマーケティングにおけるKGI・KPI設計の重要性や基本指標、設計方法のポイントについてお伝えしました。
インフルエンサーマーケティングの成果をしっかりと分析・改善をすることで着実な成果を見込むことができます。
ミンツプランニングでは、SNSマーケティングからSNS運用まで、一気通貫してサポートいたします。
その過程でのKPIやKGIの設計についても一緒に考えながらサポートいたしますので、お悩みの方・ご興味のある方は、ぜひ一度お気軽にお問い合わせください!